福島レポート「フェスティバルFUKUSHIMA!」

浅井 信好

福島へ向かう車中から空を仰げば、3.11以前と変わらず綺麗な広い空がそこにはありました。山も川も震災前と変わらず、瑞々しいほどの美しさを今なお、そこに残し続けています。
しかし、ここには確かに放射能という猛威が襲い続けていることを、忘れてはいけないのです。

福島駅に着けば、何一つ、東京の若者と変わらぬ様な笑顔に出会うことができます。
きっと、放射能に怯え続けても、現状は何も変わらない。全てを受け入れて、笑顔に思いやりを持ち、復興に向かうことでしか、現状を変えることは出来ないのかもしれません。

それにしても、本当に福島は優しい人が多かったです。
バスの運転手さんはわざわざルートを変えて近くの駅まで送ってくれたり、近所のお婆さんは道を何度も教えてくれて、笑顔で「気をつけて、楽しんで来るんだよ」と声をかけて下さいました。
心の悲しみや不安を隠し、他人を思いやる心。簡単なようでとても難しいことのように思えます。

福島では《プロジェクト福島》という、フェスティバルに参加させていただきました。「現在の、ありのままの福島を見つめることから始めたい。 そんな思いで、福島で生まれ育ったゆかりの音楽家や詩人らの有志」により開催されたこの《プロジェクト福島》。今後も継続して開催していきたいと主催者の皆さんはおっしゃっています。

私は音楽フェスティバルのブースで、リンゴジュースの無料配布のお手伝いに参加をさせていただきました。
日仏で活動する団体「りんご野」は、リンゴが持つ効能への理解を深めてもらい、日常生活に取り入れてもらうために活動しています。
今回はフェスティバルの為に、青森の農家から格安で生食用のりんごで作られたストレートタイプのリンゴジュースを、福島の人たちに無料で飲んでいただけるようブースを設けた次第です。

リンゴには体内に蓄積した放射線物質を排泄する手伝いをしてくれる効果があると言われています。

チェルノブイリでは子供の体内のセシウム137を排除する為に、リンゴジュースのしぼりかすを乾燥させたものを主原料としたパウダーを投与し、体内の放射性核種が3〜4週間で40〜90%低下したという報告があります (参照:ベルラド研究所公式サイト)。また、富山医科薬科大学の田澤賢次名誉教授は、ベルラド研究所ネステレンコ所長の論文を元に、生のリンゴを一日に2つ程度、食べることを推奨されています。
リンゴに多く含まれる食物繊維は代謝を助け、またそれに含まれるアップルペクチンの金属との吸着作用のダブルの効果で、放射性物質を追い出す手助けをします。アップルペクチンはりんごの皮に多く含まれています。
(りんご野リーフレットからの抜粋)

予想は1万人の動員目標でしたが、天候の影響もあり目標人数には達しなかったように見えるものの、音楽やアートと触れることで会場は笑顔に溢れていました。

私たちのブースではリンゴジュースの配布以外に、子供達に「好きな物」というタイトルで絵を描いてもらう企画も行いました (画材はJAPONAIDE代表の家族から500人分のクレヨンや色鉛筆等を提供していただきました)。
JAPONAIDE内でも、当初はこの時期に子供に絵を描くことを促すのはどうなのか、という懸念もありました。しかし子供達によって描かれた絵は、私たちが懸念したような、黒で塗りつぶしたり何も描くことができないといったものではなく、その数多くが大人が見ても感性を刺激されるような色とりどりの素晴らしい作品でした。これは「きっと親御さんが子供たちをしっかりと精神的にも守っている証であり、近隣の住人同士が他人の子を守り育んでいるのだろう」ということを肌で感じさせてくれました。
決して、今回のブースで描かれた絵が全ての福島の現状の縮図ではないことは言うまでもありませんが、足を運んでくれた子供達が進んで絵を描きたいと思ってくれたことに、嬉しく思うとともに私たちも励まされているように思いました。

私はブースに立ち寄ってくれたあるお婆さんの言葉が脳裏から離れません。
「今年は孫が来れんのよ、放射能があるけん。いつもトウモロコシや桃を畑からもいで、お土産に持たすとエラい喜んだのに、それも出来んのが悲しくて仕方がないのよ」という言葉に目頭が熱くなりました。

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