去る6月27日、ジャポネードは在仏日本大使館、パリ日本文化会館の協力のもと、東北で被災した中高生10人を迎える会を開きました。この会は東日本大震災で被災した子供達への継続した自立支援活動を行っているSupport Our Kidsの活動の一環としてフランスで2週間行われた海外ホームステイプログラムの帰国日前日に行われました。
パリ日本文化会館の一室で、子供達はフランスで行われた具体的な東北支援活動の映像を真剣に見つめ、寄付のために沢山のお菓子を販売してきたLabo Love Japonや、グランパレで行われたDYNAMO-FUKUSHIMAの活動を通して東北に対する意識を広く啓蒙したヤン・トマ氏の話を聞いて、遠くフランスでどのような支援が行われていたのかを初めて知る機会となりました。
後半、場所をセーヌ川を眺める広い部屋に移しての懇親会は、今回のSupport Our Kidsのツアーの主役であるこの子供達がツアー経験を通じて何をしたいのかということが現れた最も有意義な時間となりました。
子供達は一人の例外も無く今回の災害に対して何らかの大きな影響を受けており、またそれに対するしっかりした意見も持っていました。それぞれの置かれた環境によりこれから自分たちは何をして行きたいのか、何をしなければならないのかという胸の内を自分たちの言葉ではっきりと語ってくれました。被災地の人々の気持ちを一生懸命伝えようとする子、津波によって肉親を失ってしまったが気丈に未来への抱負を語ってくれた子、海外からも沢山の支援が寄せられていることで辛い期間を乗り越えた体験を話す子。天災と言う偶然がたまたま自らの身の上に降り注いだ今回の出来事に対して負けること無く、むしろより一層ひたむきに成長して行こうとする姿勢はこの場にいた全ての大人達の心を打ちました。そして全員が声を揃えて私たちに向けた「沢山の援助を頂き本当にありがとうございました」という言葉は、お礼を言って頂くとは思ってもみなかった私たちにとって、更に多くの新たなことを考えさせられるきっかけとなりました。
この会によりパリでの公式プログラムを終えた子供達は、翌日の観光を終えて全員が元気に日本へ帰国の途につきました。
私たちジャポネードは多くの支援活動をして来た中で、被災地の人々に代わってお礼をするイベントもいくつか行ってきました。しかしながら、今回のように被災者の方々が直接来られるようなケースは初めてであり、さらに実際に子供達の口から語られる体験や意見は代弁者として活動していた私たちが伝えられるどんな力にも勝る、いや桁違いのエネルギーを持っていたことを感じずにはいられませんでした。こうした経験を子供達に逆に与えられた私たちは、今後この貴重な経験を生かしてさらなる支援活動に役立たせることが出来ればと思うに至りました。