Author Archives: Utaco Ichise

十年目の願い

ノートルダムと桜

« À votre santé(ア・ヴォートル・ソンテ) »
『あなたの健康を願って』

共にいる人が健やかでありますように。遠くにいる人もまた、健やかでありますように。
ノートルダム寺院は火災から二年が経ち、現在は新緑のようにその姿が復興しつつあります。

『春の美しさ。
この季節に起きた悲しい出来事を思い出して涙するのではなく、春の花の美しさで涙を落とす日常に還るのだ。』

自然の猛威と失われた命の尊さは、人間の無力感や複雑な思いとともに、人と人とのつながりの大切さ、備えを行う学びを残していきました。

2011年3月、日本のためにいち早くミサを捧げ祈ったこの場所から、敬意と連帯の思いを持って、2021年3月11日に心からこの言葉を送ります。

« À votre santé »。

Posted in 日本語 | Tagged | Leave a comment

9年目の

この冬は全国的に記録的な暖冬と少雪が続き、福島では2月17日、仙台では3月1日に梅の開花が観測されています。

「この春はどうやら花の静なる」利牛

日が少しづつ長くなり、桜の花芽も膨らみも、この暖かさで例年より早まりそうとのことです。一人でも多くの方が、この季節に起きた悲しい出来事のために涙するのではなく、春の美しさを慈しんで、笑い、涙を流せる日々を送ることができますように。

現在も避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げると共に、今一度2011年3月11日東日本大震災から学んだことをそれぞれが伝え続ける使命と意義について考え、祈る日にしたいと思います。

ジャポネード一同

Posted in 日本語 | Leave a comment

西日本豪雨チャリティーコンサート

フランス革命以降、文化が神様や王様に捧げられる為だけではなく市民のものになった時、美しさや悲しみの中で沸き起こる感情の中に、「共有」「共感」だけでなく「連帯感」というものが加わったのではないかと思うのです。solidarité(連帯)―有事の際にフランスでよく耳にする言葉です。

去る9月2日、新年度がスタートする前日の日曜日、パリ在住の日本人音楽家によるチャリティーコンサートが開かれました。発起人はフルーティストの近藤智子さん。西日本豪雨の被災地である広島県のご出身です。8月広島県呉市での慰問演奏に引き続き、今回は彼女の呼びかけにいち早く賛同されたというバリトン歌手グルダン・エイジロウさん、作曲家・ピアニストの岩本拓郎さんを加えての開催となりました。

会場の都合により、チャペルのドアを全開にしてのコンサートとなりました。すでに客席は満員でしたが、歴史的建造物が並ぶマレ地区の一角に響く音楽に道行く方も足を止め、「これはどういうコンサートなの?」と口々に聞かれます。西日本豪雨の状況を伝えると「コンサートを楽しめる時間はないけれど、募金だけでも」と、会に賛同してくださる方も少なくありませんでした。
この日集まった420.00ユーロの募金は、JAPONAIDEを通して坂町支援金に送られます。

最後に出演者の近藤智子さん、グルダン・エイジロウさん、岩本拓郎さん、そして会場である聖マリア教会カトリック信徒礼拝堂(Chapelle Sainte Marise Eglise Catholique et Apostolique de Paris)の神父様Père Georgesの多大なるご協力と、同日西日本豪雨被害のために捧げられたミサに心より御礼申し上げます。

 

追記:フランスの銀行との手違いにより送金が大幅に遅れましたこと、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

支援金をお寄せいただいた皆様へ

寄附金受領証明書

Posted in 日本語 | Tagged , , , | Leave a comment

Support Our Kidsを迎えて 2015

東日本大震災被災児童の自立を支援するSupport Our Kids(サポートアワーキッズ)のフランスホームステイプログラムに参加した東北の中高生10人が6月17日に帰国しました。
2週間に渡るフランスでの滞在を終えたメンバーたちは在日フランス大使館を訪問し、2015年のフランスプログラムの総括が行われました。

2013年に実施された第1回フランスプログラムから、ジャポネードではフランスでのプログラムの一部を企画しています。
Support Our Kids - Lycée Racine今年はパリ9区にあるラシーヌ高等学校にて、日本語の授業を受けている約60名の高校生たちとサポートアワーキッズによる交流会を行いました。
※ラシーヌ高等学校は、自分が通う高校で選択できない言語を、別の高校で第2・第3外国語として週1回受講でき、単位として認められるシステムLIE(Langues Inter-Etablissements=学校間言語)で、唯一日本語を採用しているパリ市内の公立高校です。

10名のサポートアワーキッズ参加者たちによる東北での震災・復興の様子の発表、またフランスからの支援に感謝を述べると、あたたかく大きな拍手がおこりました。
Support Our Kids - Lycée Racine約1時間の発表の後、とても気持ちよく晴れた午後だったので、校舎の中庭で交流会が開かれました。
ラシーヌ高校の生徒たちが各々準備したケーキやマカロンを手に、折り紙や習字を通して楽しく会話が弾んでいました。
Support Our Kids - Lycée Racine今年度の滞在を通じてサポートアワーキッズが掲げた目標は「レッツ・プレイ・キャッチ」。日本語、フランス語、英語のレベルはそれぞれでも「コミュニケーションは、キャッチボールのようなもの」とそれぞれが自覚した彼らの背中は、ひとりひとりが大使としての役割を立派に担っているように感銘をうけたものでした。

Posted in 日本語 | Tagged , | Leave a comment

「ありがとう」をこめて

パリ10区東駅の東隣りにあるLa Maison de l’architecture en Île-de-France(イル=ド=フランス圏建築会館)は、かつて修道院や軍事病院として使われていました。古くから存在する建築独特の佇まい、その建物の柱のひとつひとつにも歴史の重みを感じます。
2013年3月9日に開かれた陸前高田「みんなの家」報告写真展は、パリのランドマークの一つであるこの施設で開催されました。

写真展には「みんなの家」プロジェクトに寄付をくださった方々をはじめ、たくさんの方にご来場頂きました。
写真パネルとスライド、プロジェクトの内容、設計図、ヴェネチア・ビエンナーレで配布された冊子などを真剣な眼差しで閲覧される方々が終日途絶えず、JAPONAIDEのメンバーにも多くの質問や日本への励ましの言葉をいただきました。
(suite…)

Posted in 日本語 | Tagged , , | Leave a comment

【石巻日日こども新聞】をパリでも読むことができます

石巻の現状を子どもの目線で発信しようと、一般社団法人キッズ・メディア・ステーション(仙台市)が、2012年3月から年4回(3、6、9、12月)発行を始めました。
小学生から高校生まで約20人の“こども記者”が取材や制作を担当、制作には、震災直後に手書きの壁新聞を避難所などに張り出した石巻日日新聞が協力しています。

現在パリの以下の場所で無料配布中です。
(suite…)

Posted in 日本語 | Tagged | Leave a comment

« 日本へ送るメッセージ »

10月19日金曜日。19時に開演された辻美玲氏によるピアノコンサートの前に、クリストフ・クリタ氏により「みんなの家」プロジェクトの情景説明がされた後に、「震災から1年半以上が過ぎた今だからこそ、震災のことをそれぞれが思い起こす機会となれば」との言葉が添えられました。

ラヴェル作曲《亡き王女のためのパヴァーヌ》からはじまり、武満徹、ショパンと続く演奏は、日本を思う私たち一人ひとりの心に寄り添います。アンコールにはショパン作曲のノクターン《遺作》。悲しみの中にありながら何度も何度も希望をたぐり寄せようとする旋律に、祈りの時間が流れました。

演奏会後のサロンでは漫画家 クリストフ・クリタ、イラストレーター 甲斐なつき、ポラロイド写真家 Jean Marie Bellemain、陶芸家 和泉多束、アーティスト Inès P Kuberの各氏による展示販売会が行われ、あたたかな交流が繰り広げられました。

言語学院のサロンが会場ということもあり、多種多様な国籍の方が足を運んでくださいました。JAPONAIDEスタッフに「このコンサートは何のためのコンサートなのか」と尋ねられる通りがかりの方も多く、私たちも「日本へ送るメッセージ」の手助けが少しできたのでは、と思いました。

日本を思う機会が様々な形で現されたこのコンサートでは、サロンでの展示販売会での収益を併せ512ユーロが集まりました。
収益は全て「みんなの家」プロジェクトに寄付されます。

Posted in 日本語 | Tagged | Leave a comment

被災地復興支援ミニリサイタルと現地近況報告会

3月17日、Temple du Maraisで開催された「被災地復興支援ミニリサイタルと現地近況報告会」には冷たい雨が断続的に振り続いた日にも関わらずたくさんの方にお集まりいただきました。心より御礼申し上げます。

三陸石巻金華ほや・帆立復興支援プロジェクトについての近況報告、また現地にボランティアに赴かれた方の報告はプロジェクターで映像を交えながらの講演でした。震災直後の様子には遠いパリの地でも、また人種に拘わらず、「悲しみには時効はない」という思いを共有せずにはいられませんでした。
伊藤愛さんとポール・モンターグさんによるソプラノとピアノのコンサートでは、フランスの歌曲ながらも海や漁、震災のことを偲ばせる選曲、そしてきめ細かな曲の解説によって日本が想起されます。音楽の中で心が寄り添いあい、一年という節目に於いて新たな祈りの輪が広がることを感じる日になりました。

義援金1500ユーロは東日本大震災救援キリスト者連絡会を通して現地に届けられます。

Posted in 日本語 | Tagged , , , | Leave a comment

Un an après(一年後)

「Un an après(一年後)」。
この一年がどれだけの人の人生と心を動かしたことでしょう。

2012年3月11日。東日本大震災から一年が経ったこの日、パリのUNESCO本部では世界的に活躍する指揮者・佐渡裕氏を迎えてのコンサートが開かれました。

フランス国内外から集まった演奏家の皆さん、そして1400人で埋まったUNESCO国際会議場は「復活の音を奏でる日」に相応しく、鎮魂と祈りと未来への賛美にあふれていました。

バッハ「G線上のアリア」の後は佐渡さんの意向で拍手の代わりに全員で一分間の黙祷を。
芥川也寸志の「トリプティーク」では前進する力強さを。
「指揮をしている手の動きが十字架を本当に切っているように、祈りの気持ちで」。リハーサルの時に佐渡さんがこう伝えていたことがそのまま音として浮かび上がるチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」。
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した、ピアニストの辻井伸行氏をソリストに迎えてのショパンのピアノコンチェルト第1番が優しく会場を包み、そしてアンコールにはリストの「リゴレット・パラフレーズ」を演奏してくださいました。

第二部には、昨年のUNESCOコンサートにて指揮者を務めた阿部加奈子さんに佐渡さん自らがタクトを託され、ベートーヴェンの「エグモント」序曲を演奏。
続いて今回がパリでのデビューとなる若干16歳のヴァイオリニスト周防亮介氏をソリストに迎えてのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は、第三楽章のロシアのトレパック風主題もノーカットで華麗に披露されました。

スーパー・キッズ・オーケストラとオーケストラJAPONAIDEによるラヴェルの「ボレロ」、そして佐渡・阿部両氏の指揮による「ふるさと」は会場が一体となり日本を思う時間が流れました。

今回のコンサートは演奏だけではなく、被災地の様子や昨年度のコンサートで集まった義援金がどのように使われたを報告する時間が設けられました。
第一部では桜の枝を携えた釜石市の旅館「宝来館」の女将・岩崎昭子さんが壇上に上がられ、津波発生時に旅館の方々と逃げた時のお話「てんでんこ」、震災発生時間にパリのトロカデロ広場で献花をされたお話、そして被災地で「しなやかに立ち上がる」人々のお話をされ、拍手と涙に包まれました。
第二部では野口昇日本ユネスコ協会連盟理事長によるUNESCOの日本における支援の様子、また現地で家族を亡くしながらも将来の夢を失うこと無く生活をしている子供達のインタビューが流されました。

震災後「音楽家は無力だ」とおっしゃっていたという佐渡裕氏。
マエストロの思いは完全ボランティアで素晴らしい音楽を届けてくださった演奏家の皆さん、そして会場にいた1400人の観客とUSTREAMでコンサートの様子を閲覧されていた約1万6000人の方々の心に、力強く、未来への礎となる一歩を踏み出させるタクトを振ってくださいました。

出演は、兵庫県立芸術文化センターの芸術監督でもある佐渡裕氏自らが率いる「スーパー・キッズ・オーケストラ」。フランス国内でオーケストラやソリストとして活躍する精鋭たちによりこの日だけのために結成された「オーケストラ・ジャポネード」。
昨年4月10日に開催されたUNESCOコンサートでオーケストラ・ジャポネードを指揮された阿部加奈子氏。ピアニスト辻井伸行、ヴァイオリニスト周防亮介の各氏。
また今回のコンサートのために一年ぶりに再結成された、フランス国内外で活躍する声楽家やラジオ・フランス合唱団の有志を中心として結成された「Chœur JAPONAIDE」。
そして指揮の佐渡裕氏。

このコンサートは出演者全員が無報酬であることはもちろん、多くのボランティアによって運営されました。改めて敬意と感謝を送ります。
私共ジャポネードでは企画・運営、広報、翻訳、特設サイトのデザイン・制作、ポスター及びフライヤーのデザイン・制作、パンフレットの編集・制作、会場でのご案内、USTREAMによる中継等を全て無償で担当させていただきました。

東日本大震災から一年が経ちました。
パリからひとりひとりの思いを日本へ届けるお手伝いが少しでもできるよう、これからもJAPONAIDEの活動は続いていきます。私たちの活動にご賛同いただいている方々に改めて心より御礼申し上げます。


Yutaka Sado Concert 11.3.11 Un an après
チケットの売り上げ:29,078€ + ¥136,500
当日の募金額:7,882€
当日入場者:約1,400人
Ustream視聴数:約16,000人
すべてのお金は東日本大震災子ども支援 ユネスコ協会連盟就学支援奨学金と石巻明友館に送られます。

出演:
佐渡裕
阿部加奈子
辻井伸行
周防亮介
スーパーキッズ・オーケストラ
ジャポネード・オーケストラ
ジャポネード合唱団

岩崎昭子(宝来館 女将)
野口昇(日本ユネスコ協会連盟理事長)
平澤絵美(通訳, ジャポネード初代セクレテール)

ご来場くださった皆様、出演者の皆様、公式・非公式を問わずサポートしてくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。
被災地の今後のさらなる復興を祈っています。

Posted in 日本語 | Tagged , , , , , , , | 1 Comment

春の試飲会 at LMDW Fine Spirits – La Maison du Whisky

日本のウイスキー、酒、スピリッツを再発見

パリ左岸、ファッションウィーク期間中で賑わう6区Odéon界隈。このオデオン交差点の一角、数年前まで有名なフローリストがお店を持っていたお店の跡に約一年半前にオープンしたのがこの「LMDW Fine Spirits」。世界じゅうのウイスキーとスピリッツ類が一同に介している、さながらお洒落なウイスキー博物館です。

お店は地下・地上階・1階の3フロア構成。アルコール類の販売の他に、1階にはウイスキーとウイスキーを使ったカクテルを楽しめるカウンターもあります。ウイスキーを使ったカクテルのスペシャリストもいらっしゃるそうです。窓からオデオンを行き交う人を眺めながら、まずは一杯。

私はウイスキーをほとんど飲んだことがないと言うと、宮城峡12年を試飲させて下さいました。思ったよりも軽い口当たり、温度によって立ち上る香りの華やかさはちょっと癖になりそうな予感です。

この「LMDW Fine Spirits」では2012年3月の一ヶ月間、日本のお酒の売上の中から5%をJAPONAIDEを通し「Save The 東北の酒」実行委員会に義援金として寄付されます。また店頭にはJAPONAIDE募金箱が設置され、こちらも同じく義援金として寄付されます。

またこの期間に伴い、3月は毎土曜日に楽しい試飲会が催されます。 まず3日は「百年の孤独」でお馴染みの宮城県の黒木本店から焼酎と、沖縄の咲元酒造から泡盛「与那国」。日本の北と南がパリで出会います。

LMDW Fine Spirits

試飲会は毎週土曜13時から19時30分までです。

住  所
6 carrefour de l’Odéon 75006 Paris
(メトロ4・10番線Odéon下車徒歩1分)
Tel : 01 46 34 70 20

営業時間
月-水 10:30 – 20:00
木-金 10:30 – 21:00
土 10:30 – 20:00

Facebook

試飲会スケジュール

2012年3月3日 – 焼酎と泡盛:
– 焼酎 (黒木本店 宮崎県)
– 泡盛 与那国 (咲元酒造 沖縄県)

3月10日 – 日本酒:
– 醸し人九平次 (萬乗醸造 愛知県)
– 獺祭 (朝日酒造 山口県)
– 田酒 (西田酒造店 青森県)
– カワセミの旅 (越の華酒造 新潟県)

3月17日 – ウイスキー:
– ニッカウヰスキー

3月24日 – 日本のリキュール:
– 梅乃宿酒造 奈良県
– 麻原酒造 埼玉県
– CHOYA 和歌山県

3月31日 – ラム:
– 小笠原のラム (小笠原ラム・リキュール 東京都小笠原村)
– Cor Cor (グレイスラム 沖縄南大東島)

 
「Save The 東北の酒」実行委員会
 

Posted in 日本語 | Tagged , | Leave a comment