東北地方太平洋沖地震 津波被災地ボランティアレポート
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6. 実際の活動について ―塩釜―(6月5日)

この日は日曜日で社会福祉協議会がお休み。そこで塩釜市のボランティアセンターを通して仕事をいただき、塩釜市内での作業となりました。

ボランティアセンターに行くのはこの日が初めてでした。センターは避難所の隣にあったのですが、センター内に積み上げられた援助物資の数々、避難所横で自転車を無料で直すコーナー、簡易喫茶室、キッズコーナーなどを見る限り、避難所の運営はスムーズに行われているようでした。私たちは避難所内に入る用事はなかったので、あえて中には入りませんでしたが、中で炊き出しやお湯だしなどの活動をされている人から様子を聞くと、やはり秩序正しく運営されているとのことでした。

ボランティアセンターでは毎朝その日求められている仕事が掲示され、職員の方が集まったボランティアに仕事を振っていきます。仮設住宅への引っ越しの手伝い、家具の移動などといった仕事がありましたが、私たちが担当したのは道路の清掃でした。

担当が決まり、早速現場に着くと、もともとは駐車場だったのでしょうか? 使えなくなった車が山と積まれている広場を横目に見ながら、道路に溜まった泥をひたすらかき出して土嚢に詰めました。

この日は塩釜市に住むという大学生2人と一緒に作業をしたのですが、作業をしつつ大学生たちから話を聞くと、

「自分の家が大変なときに、ボランティアをするとは家族に言い出しづらかった。今も家族はいい顔をしていないし、ボランティアに来ているのは自分だけ。周りでもボランティアをしている人は少ない。遠くから来てくださるボランティアの方々にはありがたいと思うが、地元住民にももっとできることがある気がする」

「自分は車に乗っているところを津波に飲まれた。車のガラスを自力で壊し、外に脱出して助かった。自分の家も津波で流されてしまった。今は市が提供してくれたアパートにいるけれど、2年後に出なくてはいけない」

といった、地元の方の貴重な話を聞くことができました。

確かに自分が被災していて住むところがこれからどうなるかわからないといった状況では、「ボランティアどころではない!」と私も思ってしまうかも……。

これに関して、私たちは一度早朝にベースを出て、塩釜港を見下ろすところに建つ、それは立派で美しい塩釜神社を訪れて散歩をしていました。そこで地元のおじいさん・おばあさんと一緒にラジオ体操をすることになったのですが、その際、石巻市に行ったという話を塩釜の人にしたときも、

「石巻ってやっぱりテレビで映っているような状況なんですか?」

と逆に質問されたりもしたので、同じ県内にあっても、自分の住んでいる地域以外にはまだまだ目が向かない状況なのかなと思ったりもしました。

塩釜駅周辺では1階が浸水した建物が多数あった
 
被害の比較的少なかった塩釜でも、場所によっては半壊、全壊の家がある
 

7 Responses to 東北地方太平洋沖地震 津波被災地ボランティアレポート
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  1. 粟田御鈴 より:

    体験談の記事の次が待ち遠しいです!

  2. 粟田御鈴 より:

    野々島での活動の様子が眼の辺りに見えるような記述に引き込まれながら読ませて頂きました。写真もいいですね。
    体験談がなぜこんなに細切れになってしまったのか、読む側としてはちょっと残念です。
    全文が掲載されるまで待ってから最後に纏めて読む方が、連載としてよりも印象に残る気がします。

    • Kyo ICHIDA より:

      粟田さま
      貴重なご意見をどうもありがとうございました。
      荒木さんご夫妻のレポートは8日間の現地でのボランティア活動と前後の経緯・心情が綴られています。
      長文を分割する必要があったのはもちろんですが、なるべくレポートの時間軸に沿って掲載したい意図がありました。と申しますのは、ご存知の通り復興は一気に進めたくとも実際には非常に時間がかかり、また特に海外では始めはニュース等で大きく取り上げられても、やがて忘れられてしまいがちです。
      少しずつしか進むことができないけれども、継続的に思い出していただければ、という試みで連載の形を採らせていただきました。
      このレポートは連載終了後も永く掲載し続けますので、また是非まとめてお読み頂ければ幸いです。
      本当にどうもありがとうございます。

  3. 竹村友美 より:

    こんにちは。麻美さんの体験談を拝見させていただきました。私は今現在アメリカに住んでいます。今回コメントさせていただいたのは、今度大きなペーパーを書くのですが、その際の私のペーパーの主題が東北地方太平洋沖地震です。ペーパーをサポートするために経験者の方にメールで何問か質問をさせていただきメールを通じてインタビューをさせていただけたらと思います。
    もしお時間があれば、Eメールという形になりますがご協力お願いいたします。

  4. 竹村友美 より:

    何度もすいません。Eメールじゃなくても大丈夫です。
    質問は、
    1、地震が起こった時の人々、政府の対応。
    2、地震が起こった後の人々、政府の対応。
    3、現地に行った時に身を以て感じた深刻な問題。
    4、国単位で被災者の方々や問題解決のためにすべきこと。
    5、個人個人で被災者の方々や問題解決のためにできること。
    少しお時間取られますが、お願いいたします。

  5. 北村 幸子 より:

    これから、寒くなりますから、毛布、布団をたくさん用意してください。そして、何日に地震がおきたら、家計簿に地震おきた、時間と震度を書いておくこと。そして、2階にも、すぐに逃げられるように、非常階段をつけておくこと、非常口を作ってください。

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