Author Archives: Nanako ISHIZUKA

« 福島の子供たちの為に »

2012年9月29日 秋のさわやかな青空の広がる週末 セーヌ川に面するCité international des arts のオーディトリアムにて、日仏をはじめとして各国の音楽家やアーティストによる、SOIREE MUSICAL « EN SOLIDARITE AVEC LES ENFANTS DE FUKUSHIMA » 音楽の夕べ « 福島の子供たちの為に » と題された、音楽会が開催されました。

ほぼ満席のお客様の中、心が洗われるような澄み切ったハープとヴァイオリンの協奏や心のこもった歌唱の数々、福島での体験によって作られた俳句集への返歌としてのコンテンポラリーダンス、そして国際的に活躍をされているフローラン・エオーさん、パトリック・ジグマノフスキーさんのクラリネットとピアノによる珠玉の競演。出演者の皆様の心から福島の子供たちを思っての熱演に、胸があつくなる時を過ごせました。
(suite…)

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F・リスト200年の祈り 震災復興支援国際交流演奏会

6月19日パリのマドレーヌ寺院にて、
F・リスト200年の祈り 震災復興支援国際交流演奏会
によるチャリティコンサートが行われました。

「F・リスト200年の祈り 震災復興支援国際交流演奏会」とは、今年がフランツ・リスト生誕200年目であること、また、1838年にドナウ川流域を襲った洪水による激甚災害に際して、リスト自らチャリティコンサートを開き、それによって多大な支援をしたことへの遺徳を受け継いだ、今回の震災に関する支援団体です。
震災以後、パリからはじまり、ワルシャワ、ウィーン、京都、東京と、支援コンサートを巡回し、1年後の2012年3月11日には被災地である仙台にてコンサートを予定しています。
また、各々のコンサート会場もすばらしく、パリでは歴史あるマドレーヌ寺院にて、ワルシャワではショパンの像の前にて、ウィーンではクラッシックコンサートのメッカ、ウィーン楽友協会ホール、京都では京都御所や清水寺など、趣向をこらしてのコンサートが計画されています。

この日のマドレーヌ寺院でのコンサートは、F・リストによるハンガリー狂詩曲第12番の情熱的な演奏で始まりました。
また、リスト「愛の夢」では優雅で甘い響きに酔い、ベッリーニによるオペラ「ノルマ」からの抜粋の歌曲では、ソプラノとメゾソプラノの2重奏がマドレ-ヌ寺院の大空間の壁や高い天井に響き合い、音が豊かに重なりあう瞬間を経験しました。
第1部の最後の曲はショパンのピアノ協奏曲第一番。有名なコンチェルトであるこの曲は、第一楽章が終わるや否や拍手が沸いてしまうほどの熱演でした。
オ-ケストラ形式の楽曲を指揮してくださったのは、ユネスコでのコンサートで素晴らしい指揮を披露してくださった阿部加奈子さん。
今回も時に情熱的に、時にまろやかに、巧みに音を操る姿に魅了されました。

第2部では華やかな第1部と異なり、深みを伴ったしみじみと美しい音楽が奏でられました。
1部でも演奏されたリストの「愛の夢」は、ソプラノの清らな歌声を伴ってさらに情感豊かに。
ヴィヴァルディの「四季」では「春」の章からの抜粋。これからの復興に向けての希望を高らかに謳いあげます。
最後のピアノ作品3曲は、今回のメイン演奏者であるシプリアン・カツァリスさんによる演奏でした。
「愛の悲しみ」ではヴァイオリニスト矢野玲子さんとともに、流れるような優雅で切なさのこもるメロディーを。
2曲目はシプリアン・カツァリスさん自身の作曲による「F.リストへ捧げる即興曲」。
様々なクラシック音楽をオマージュとして取り入れており、パッセ-ジの歌うように流れていく美しさ、軽やかにメロディーが紡がれていく様は技術の高さもさることながら、まさにご自身の魂をピアノにのせて詠わせており素晴らしい演奏でした。
また、この曲の冒頭にカツァリスさんのスピーチがありました。日本を愛する心、今回の震災に関して哀悼意、そして復興への力強い支援の心をひしひしと感じ、涙せずにはいられませんでした。
そして最後はカツァリスさんによるショパン「葬送行進曲」。
荘厳で美しくも悲しいメロディーで、被害者の魂に祈りを捧げ締めくくられました。

今回のコンサ-トで集まりました募金額は2855.79ユ-ロでした。
パリ市内の記念碑的な建物であるマドレーヌ寺院を会場としていたため、チャリティコンサートを聴きに集まった方ばかりでなく、ふらりと訪れた世界各国からの観光客の方々が、思わず聴き入ってくださる姿も印象に残りました。
寄付金の中に、世界各国のお金が混ざっていたのもそれを物語っています。
これらの寄付金は主催者から日本大使館を通して、日本赤十字社に寄付されます。

ご来場いただきました皆様方、出演してくださいました演奏家の皆様、主催の「F・リスト200年の祈り 震災復興支援国際交流演奏会」の皆様、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。


出演者 : シプリアン・カツァリス(P)、矢野玲子(V)、神谷美恵子(Sop)、近藤由貴(P)、アニエシカ・ルシア(Mez Sop)、井ノ口慎一(P)、川崎聖子(編曲)、瀬川祥子(V)、大橋りつ子(A)、佐藤畔奈(F)、川久保あきこ(P)、深見まどか(P)、斉藤千夏(Sop)、ジャン=ミッシェル・キム(P)
オーケストラ・パドルー
指揮 : 阿部加奈子

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「日本への手紙」コンサート – リセ・アンリIV

5月28日、パンテオンに隣接するフランスの名門高校Lycée Henri-IVのチャペルにて、人道支援団体SEMEによる「日本への手紙」と題されたコンサートが行われました。
ソプラノ歌手、フルート奏者、ピアニストによる演奏と、「Ecritures aujourd’hui」(Jacqueline Aupetit女史主宰)のメンバーによる詩の朗読から構成されており、歴史あるリセ(高校)のチャペル内に、文学の香りただよう美しいコンサートとなりました。

オープニングは、ヴィクトル・ユーゴーの詩が透き通るようなソプラノの歌声となり、さらにフルート、ピアノのメロディが重なり合い、チャペルの崇高な空間に満ち溢れる、透明感のある作品でした。
続いてラベルやドビュッシー、近現代の作曲家の作品などが演奏されました。色鮮やかなソプラノの歌声、柔らかく軽やかで、時には力強い、フルートの音色、まるで歌い合うようなピアノの音色、三種が溶け合って、一遍の物語を見ているかのような作品の数々。
そして、演奏の間に日本に宛てた手紙としての詩の朗読が続きます。
表情豊かに詠まれる美しいフランス語のフレーズに、言葉も音楽の一つなのだと、改めて実感した瞬間でした。
最後は、武満徹作曲の歌曲集。Lucille Marchel-Seumoisさんの感情のこもった日本語の歌が流れると、改めて日本語の美しさを感じるとともに、日本に思いを馳せずにはいられませんでした。
また、歌曲の最後の作品である「小さな空」は武満徹自身が作詞していることから、対訳をプログラムに載せており、来場者に意味がわかるようになっていました。
歌声に聴き入っていると、誰もが持っている幼いころの思い出が、ふっとよみがえってくるのではないでしょうか。心に響く作品でした。
コンサートが終わるころにはパンテオンに広がる空も茜色から濃紺に移りゆき、言葉の持つ力、美しさの余韻に浸りながら、帰路につきました。

皆様の温かい拍手に支えられての素敵なコンサートとなりました。

今回のコンサートで集まりました募金額は483.90ユーロ。
これらの寄付金は、日本の「国境なき子どもたち」に全額寄付されます。

ご来場いただきました皆様方、出演してくださいました演奏家の皆様、「Ecritures aujourd’hui」の皆様、主催の人道支援団体SEMEの皆様、心より感謝申し上げます。ありがとうござました。

出演 :
Lucille Marchel-Seumois (ソプラノ),
Sophie Peltier (フルート),
Keiko Tsujii (ピアノ)
Lecteurs/Auteurs :
« Ecritures aujourd’hui »(主宰Jacqueline Aupetit女史)

その後SEMEの皆様が国境なき子どもたち宛の200ユーロの小切手をお送りくださいました。ご厚意に改めて感謝いたします。どうもありがとうございました。

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