2014年6月18日、昨年に引き続き、東北から2週間のフランスステイにやって来たSupport Our Kids の10名の中・高生のみなさんをパリ第1パンテオン・ソルボンヌ大学の講堂でお迎えしました。今回は、昨年のこの会に参加して下さった東北に対する意識をフランスで広く啓蒙している現代アーティストであり、大学教授でもあるヤン・トマ氏の全面的なバックアップの下、同大学のご協力によりこのようなアカデミックな会場での開催を実現することができました。
壇上ではまず、ヤン・トマ氏より「フランスは日本の子どもたちに対して常に広く門を開けて待っている。東北の問題は広く世界に考えられ今後に生かされる」という大学長からのメッセージが伝えられました。その後、私たちジャポネードからフランスにおける支援活動報告を行いました。そして Support Our Kids の参加メンバーの中から代表して6人の子どもたちから体験発表がありました。被災から3年が経った彼らの言葉は、今でも3年前の被災地のイメージを持って活動している私たちの意識に大きな変革をもたらしてくれました。なぜなら、彼らにとって震災はただの過去の記憶ではなく、既にその経験が意識として自らの未来に向けられ、自分たちのやりたいことにはっきりとした方向性を見いだしていたからです。
後半はパリらしい雰囲気のあるアンドレ・シトロエン公園に場所を移し、広々とした芝生の上で子どもたちとお菓子をつまみながら自由な話合いの時間を持ちました。その中で、フランスに滞在する日本人の活動紹介の一環として、今回の参加者の中に音楽に関心のある子が数人いたこともあり、ジャポネードメンバーのバイオリニストの市瀬詩子とマイムの奥野衆英によるコラボ作品の鑑賞なども行い、楽しく充実した時間を過ごすことができました。
昨年の会で私たちは「たくさんの援助を頂き本当にありがとうございました」という予想外の子どもたちのお礼の言葉に驚きましたが、今回は子どもたちが私たちの予想を遥かに上回る早さでたくましく前進している様子に驚かされました。そのたくましさは、発表内容ばかりでなく、彼らの表情や態度にも表れていました。
私たちの中では「この誰よりも真っすぐに被災の話をしてくれる子どもたちの貴重な発表を、もっと広く一般の方たちも聴くことが出来るようになれば」という声も上がっています。それは、代弁者としてパリで活動する我々では真似することの出来ない「本物の伝える力」をこの子どもたちが持っているということを、私たちが確信したからに他なりません。もしまたこのような機会をいただければ、ジャポネードはこの会をより充実したものにしていく努力を惜しみません。