タグ別アーカイブ: スーパーキッズ・オーケストラ

[video] 一年間の記録映像

この動画は東日本大震災の翌年、2012年11月に石巻市で開催されたフランスフェアのために制作したものです。震災から5年という節目を迎えるにあたり、沢山の寄付をくださったフランスの方々や、音楽家をはじめご協力くださった数多くのボランティアの方々に感謝の意を込めて公開する運びとなりました。
震災の被害に遭われ、大切な家族や生活を失った方々には「何年」という経過した年月で割り切れるものではありませんが、現地視察や海外ホームステイなどの活動支援を通して、私達の予想を超えて力強く未来へ歩き出している現状もあり、今いちど初期の活動を改めて振り返ることで今後成せることは何かを再検討するきっかけになればと考えております。

ジャポネード一同


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再生とは何か — 音楽から学んだこと

昨年3月11日のメモリアルコンサートをはじめ、ここパリでも素晴らしい演奏を聴かせてくださいましたスーパーキッズ・オーケストラのメンバーで三重・高田高1年の伊藤江理華さんが、全国の高校生・高専生を対象とし「再生」を課題テーマにした東北大文学部が主催する文学賞「第6回青春のエッセー 阿部次郎記念賞」で最優秀賞に選ばれました。

被災地に寄り添う思い、そして音楽の役割を真摯に見つめた文章を紹介させていただきます。
掲載をご快諾くださいました伊藤江理華さん、ならびにスーパーキッズ・オーケストラが所属する兵庫県立芸術文化センター プロデューサーの横守稔久さんに改めて御礼申し上げます。


 昨年の夏、私たちは仙台空港に到着した。私はずっと不安だった。行きたい、行かなくては、と思う気持ちがどこかにある一方で、行ってどうなるのか、と不安で仕方なかったことを覚えている。いつもにぎやかなオーケストラの仲間は、みんな静かだった。急に決まった訪問に送り出すメンバーの親たちの中には賛否があった。ギリギリまで日程が決まらず、情報不足が不安をあおった。簡易風呂のイメージはわかない。ペットボトルに水を何本持っていくか、そんなメールが何往復もした。報道でしか知らない震災後の東北、それはまるで未知の世界に無防備で行くようなものだった。
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Un an après(一年後)

「Un an après(一年後)」。
この一年がどれだけの人の人生と心を動かしたことでしょう。

2012年3月11日。東日本大震災から一年が経ったこの日、パリのUNESCO本部では世界的に活躍する指揮者・佐渡裕氏を迎えてのコンサートが開かれました。

フランス国内外から集まった演奏家の皆さん、そして1400人で埋まったUNESCO国際会議場は「復活の音を奏でる日」に相応しく、鎮魂と祈りと未来への賛美にあふれていました。

バッハ「G線上のアリア」の後は佐渡さんの意向で拍手の代わりに全員で一分間の黙祷を。
芥川也寸志の「トリプティーク」では前進する力強さを。
「指揮をしている手の動きが十字架を本当に切っているように、祈りの気持ちで」。リハーサルの時に佐渡さんがこう伝えていたことがそのまま音として浮かび上がるチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」。
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した、ピアニストの辻井伸行氏をソリストに迎えてのショパンのピアノコンチェルト第1番が優しく会場を包み、そしてアンコールにはリストの「リゴレット・パラフレーズ」を演奏してくださいました。

第二部には、昨年のUNESCOコンサートにて指揮者を務めた阿部加奈子さんに佐渡さん自らがタクトを託され、ベートーヴェンの「エグモント」序曲を演奏。
続いて今回がパリでのデビューとなる若干16歳のヴァイオリニスト周防亮介氏をソリストに迎えてのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は、第三楽章のロシアのトレパック風主題もノーカットで華麗に披露されました。

スーパー・キッズ・オーケストラとオーケストラJAPONAIDEによるラヴェルの「ボレロ」、そして佐渡・阿部両氏の指揮による「ふるさと」は会場が一体となり日本を思う時間が流れました。

今回のコンサートは演奏だけではなく、被災地の様子や昨年度のコンサートで集まった義援金がどのように使われたを報告する時間が設けられました。
第一部では桜の枝を携えた釜石市の旅館「宝来館」の女将・岩崎昭子さんが壇上に上がられ、津波発生時に旅館の方々と逃げた時のお話「てんでんこ」、震災発生時間にパリのトロカデロ広場で献花をされたお話、そして被災地で「しなやかに立ち上がる」人々のお話をされ、拍手と涙に包まれました。
第二部では野口昇日本ユネスコ協会連盟理事長によるUNESCOの日本における支援の様子、また現地で家族を亡くしながらも将来の夢を失うこと無く生活をしている子供達のインタビューが流されました。

震災後「音楽家は無力だ」とおっしゃっていたという佐渡裕氏。
マエストロの思いは完全ボランティアで素晴らしい音楽を届けてくださった演奏家の皆さん、そして会場にいた1400人の観客とUSTREAMでコンサートの様子を閲覧されていた約1万6000人の方々の心に、力強く、未来への礎となる一歩を踏み出させるタクトを振ってくださいました。

出演は、兵庫県立芸術文化センターの芸術監督でもある佐渡裕氏自らが率いる「スーパー・キッズ・オーケストラ」。フランス国内でオーケストラやソリストとして活躍する精鋭たちによりこの日だけのために結成された「オーケストラ・ジャポネード」。
昨年4月10日に開催されたUNESCOコンサートでオーケストラ・ジャポネードを指揮された阿部加奈子氏。ピアニスト辻井伸行、ヴァイオリニスト周防亮介の各氏。
また今回のコンサートのために一年ぶりに再結成された、フランス国内外で活躍する声楽家やラジオ・フランス合唱団の有志を中心として結成された「Chœur JAPONAIDE」。
そして指揮の佐渡裕氏。

このコンサートは出演者全員が無報酬であることはもちろん、多くのボランティアによって運営されました。改めて敬意と感謝を送ります。
私共ジャポネードでは企画・運営、広報、翻訳、特設サイトのデザイン・制作、ポスター及びフライヤーのデザイン・制作、パンフレットの編集・制作、会場でのご案内、USTREAMによる中継等を全て無償で担当させていただきました。

東日本大震災から一年が経ちました。
パリからひとりひとりの思いを日本へ届けるお手伝いが少しでもできるよう、これからもJAPONAIDEの活動は続いていきます。私たちの活動にご賛同いただいている方々に改めて心より御礼申し上げます。


Yutaka Sado Concert 11.3.11 Un an après
チケットの売り上げ:29,078€ + ¥136,500
当日の募金額:7,882€
当日入場者:約1,400人
Ustream視聴数:約16,000人
すべてのお金は東日本大震災子ども支援 ユネスコ協会連盟就学支援奨学金と石巻明友館に送られます。

出演:
佐渡裕
阿部加奈子
辻井伸行
周防亮介
スーパーキッズ・オーケストラ
ジャポネード・オーケストラ
ジャポネード合唱団

岩崎昭子(宝来館 女将)
野口昇(日本ユネスコ協会連盟理事長)
平澤絵美(通訳, ジャポネード初代セクレテール)

ご来場くださった皆様、出演者の皆様、公式・非公式を問わずサポートしてくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。
被災地の今後のさらなる復興を祈っています。

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佐渡裕氏指揮、スーパーキッズ・オーケストラによるノートルダム大聖堂での震災追悼の調べ


バッハ:管弦楽組曲第 3 番ニ長調 BWV1068 より 第 2 楽章《Air》(G 線上のアリア)


チャイコフスキー:弦楽セレナードより 第3楽章:エレジー、ラルゲット・エレジアーコ


見上げてごらん夜空の星を

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佐渡裕 311 ユネスコ・コンサート

震災から一年、パリ・ユネスコ本部に国際的に活躍する指揮者・佐渡裕氏を迎えて贈るメモリアル・コンサート

復活の音を奏でる日-2012年3月11日
指揮者に佐渡裕、ソリストにピアノ辻井伸行、ヴァイオリン周防亮介の各氏を迎えての特別なひととき。
フランスを拠点とする名門オーケストラの団員を中心に精鋭たちによって編成された、この日だけのスペシャルなオーケストラ「ジャポネード・オーケストラ」、そして日本からは佐渡裕氏自らが率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」の出演です。
祈りと鎮魂、そして復興と再生への願いへ。東日本大震災から一年のこの日、再びパリから思いをひとつに。

Yutaka Sado, photo : Takashi Iijima日時 : 3月11日 (日) 14時開場(会場ロビーにて東北復興写真展を開催いたします) 15時開演
場所 : ユネスコ第1会議室 Maison de l’UNESCO salle I
住所 : 125, avenue de Suffren, 75007 Paris (Métro : Ségur)

料金:一般30ユーロ、学生20ユーロ ※チケットの売り上げは全額被災地の東日本大震災子ども支援 ユネスコ協会就学支援奨学金 及び 石巻 明友館に寄付されます
チケットはfnacで販売中です。
前売りのみで当日券はございませんのでお早めにお求めください。

※未就学児の入場はご遠慮ください

コンサート特設サイトへ

プログラム

  • 第1部
    スーパーキッズ・オーケストラ

    1. バッハ:管弦楽組曲第 3 番ニ長調 BWV1068 より 第 2 楽章《Air》(G 線上のアリア)
    2. 芥川也寸志:トリプティークより 第1楽章:アレグロ
    3. チャイコフスキー:弦楽セレナードより 第3楽章:エレジー、ラルゲット・エレジアーコ
    4. レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より「パッサカリア」
    5. ウィーラン(ヤニック・パジェ編曲):リバーダンス
    6. ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11 より 第2楽章:ロマンス:ラルゲット
      ピアノ:辻井伸行
  • 第二部
    1. ベートーヴェン:「エグモント」序曲 Op. 84
    2. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
      I. アレグロ・モデラート II. カンツォネッタ アンダンテ III. フィナーレ アレグロ・ヴィヴァーチッシモ
      ヴァイオリン:周防亮介
    3. ラヴェル:ボレロ
    4. 岡野貞一(山口真希子編曲):故郷(ふるさと)

佐渡裕 プロフィール

Yutaka Sado, photo : Yuji Hori故レナード・バーンスタイン、小澤征爾に師事。1989年、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。現在ドイツ、フランス、イタリアなどを中心に世界中のオーケストラを多数指揮。2011年5月にはバイエルン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にデビュー。国内では兵庫県立芸術文化センター芸術監督、シエナ・ウインド・オーケストラ首席指揮者も務める。「題名のない音楽会」(テレビ朝日系列局/毎週日曜日9:00放送)の司会者としても人気を集めている。

阿部加奈子 プロフィール

大阪生まれ、パリ在住の指揮者。東京芸術大学音楽学部付属音楽高校、東京芸術大学音楽学部作曲科を経て、パリ国立高等音楽院入学。6つのクラスで学んだ後2002年に日本人として初めて同音楽院の指揮科に入学し、指揮法をZsolt Nagy, Peter Eotvös, Jànos Fürst等に師事。在学中に現代音楽アンサンブル「Multilatérale」を創設し音楽監督に就任。現在までにフランスを始めとするヨーロッパ諸国で既に80作を超える新作初演の指揮を行う。2008年から2009年にかけてモンペリエ国立歌劇場の副指揮者。これまでにモンペリエ国立管、リール国立管、ロレーヌ国立管、ニース響、パドルー管、チューリッヒ歌劇場、ライン国立歌劇場などと共演。

辻井伸行 プロフィール

Nobuyuki Tsujii, photo : Yuji Hori1988年東京生まれ。98年、10歳の時に、大阪センチュリー交響楽団と共演しデビュー。2000年9月にはサントリーホール小ホールでソロ・リサイタル・デビュー。05年10月、第15回ショパン国際ピアノ・コンクール(ワルシャワ)に最年少で参加し、「批評家賞」を受賞。09年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初の優勝を飾った。以後、国際的に目覚しい活動を続け、11年11月10日にはカーネギーホール主催によるリサイタルが高い評価を受けた。12年5月、フィルハーモニア管弦楽団の定期演奏会でロンドン・デビューの予定。
07年10月、エイベックス・クラシックスよりCDデビュー。以後、継続的にCDを発表。
増山真佐子、川上昌裕、川上ゆかり、横山幸雄、田部京子、干野宜大各氏に師事。11年3月、上野学園大学演奏家コースを卒業。2009年、文化庁長官表彰(国際芸術部門)。2010年、第11回ホテルオークラ音楽賞及び第1回岩谷時子賞受賞。
オフィシャル・サイト http://www.nobupiano1988.com/

周防亮介 プロフィール

1995年生まれ。7歳からヴァイオリンを始める。2008年、中学1年のときに全日本学生音楽コンクール全国大会第3位、京都市交響楽団と共演(大友直人指揮)。2009年、クロスター・シェーンタール国際ヴァイオリンコンクール(ドイツ)にて第1位およびヴィルティオーゾ賞とEMCY(青少年のための音楽コンクール欧州連合)賞を受賞。2010年、ダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリンコンクール(モククワ)で最高位およびスポンサー特別賞を受賞、国際音楽祭ヤング・プラハ(チェコ共和国)より日本代表として招聘されプラハ室内管弦楽団と共演。2011年、東京音楽コンクールで第1位および聴衆賞を受賞。現在、東京音楽大学付属高校1年特別特待奨学生として在学中。

スーパーキッズ・オーケストラ

兵庫県立芸術文化センターが2003年、小学生から高校生までの弦楽器だけのオーケストラとして創設。兵庫県立芸術文化センターの芸術監督である指揮者・佐渡裕が同オーケストラの芸術監督を兼任し、毎年、全国から集まったトップクラスのジュニア演奏家をオーディションで選抜、合同練習や夏合宿そして本番公演を通じて指導している。演奏技術を磨くだけでなく、「音楽」ができることの幸せを子どもたちと共有することを主眼に置く佐渡裕は2011年、東日本大震災で壊滅的被害を受けた釜石市根岸海岸にてミニコンサートを実施するなど、かけがえのない音楽体験をともに積んできた。世界で一番輝くオーケストラ「スーパーキッズ・オーケストラ」を目指し、今回のパリでの演奏会で海外デビューを果たす。

ジャポネード・オーケストラ

「Orchestre JAPONAIDE」は東日本大震災勃発後フランス国内外で活躍する演奏家によって特別に結成されたオーケストラ。
パリの4大オーケストラであるパリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ国立歌劇場管弦楽団をはじめ、佐渡裕氏が首席指揮者を務めたラムルー管弦楽団、名門コロンヌ管弦楽団、コンセール・パドルーの各オーケストラの有志たち、フランス国立高等音楽院の学生、そしてフランスのみならずヨーローッパ各地からも錚々たる演奏家たちがこのオーケストラの趣旨に賛同し、2012年3月11日のメモリアルコンサートのメンバーに名を連ねる。

ジャポネード合唱団

photo : Akihiko Kondoh2011年4月10日にユネスコ本部国際第一会議場にて行われた「東日本大震災チャリティー演奏会」のために、フランス国内外で活躍する声楽家やラジオ・フランス合唱団の有志を中心として結成された「Chœur JAPONAIDE」。4月10日の演奏会では、Chœur JAPONAIDE のリードのもと、客席と共に唱歌「さくら」「ふるさと」を大合唱。会場が被災地への熱い思いに包まれた。


共催 : ユネスコ職員組合(AIPU), パリ日本文化会館, ジャポネード
後援 : ユネスコ日本政府代表部, 在フランス日本国大使館
協賛 : JAL, Canon France, 笹川日仏財団
協力 : 兵庫県立芸術文化センター, 公益財団法人日仏会館, AVEX CLASSICS INTERNATIONAL, 東京音楽大学, パリ国立高等音楽院, Labo love Japon, パリ小町

東北復興写真展 : 東北復興写真展実行委員会, 東京外国語大学, 河北新報社, Canon France, 株式会社シミズオクト


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