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[video] 一年間の記録映像

この動画は東日本大震災の翌年、2012年11月に石巻市で開催されたフランスフェアのために制作したものです。震災から5年という節目を迎えるにあたり、沢山の寄付をくださったフランスの方々や、音楽家をはじめご協力くださった数多くのボランティアの方々に感謝の意を込めて公開する運びとなりました。
震災の被害に遭われ、大切な家族や生活を失った方々には「何年」という経過した年月で割り切れるものではありませんが、現地視察や海外ホームステイなどの活動支援を通して、私達の予想を超えて力強く未来へ歩き出している現状もあり、今いちど初期の活動を改めて振り返ることで今後成せることは何かを再検討するきっかけになればと考えております。

ジャポネード一同


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Un an après(一年後)

「Un an après(一年後)」。
この一年がどれだけの人の人生と心を動かしたことでしょう。

2012年3月11日。東日本大震災から一年が経ったこの日、パリのUNESCO本部では世界的に活躍する指揮者・佐渡裕氏を迎えてのコンサートが開かれました。

フランス国内外から集まった演奏家の皆さん、そして1400人で埋まったUNESCO国際会議場は「復活の音を奏でる日」に相応しく、鎮魂と祈りと未来への賛美にあふれていました。

バッハ「G線上のアリア」の後は佐渡さんの意向で拍手の代わりに全員で一分間の黙祷を。
芥川也寸志の「トリプティーク」では前進する力強さを。
「指揮をしている手の動きが十字架を本当に切っているように、祈りの気持ちで」。リハーサルの時に佐渡さんがこう伝えていたことがそのまま音として浮かび上がるチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」。
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した、ピアニストの辻井伸行氏をソリストに迎えてのショパンのピアノコンチェルト第1番が優しく会場を包み、そしてアンコールにはリストの「リゴレット・パラフレーズ」を演奏してくださいました。

第二部には、昨年のUNESCOコンサートにて指揮者を務めた阿部加奈子さんに佐渡さん自らがタクトを託され、ベートーヴェンの「エグモント」序曲を演奏。
続いて今回がパリでのデビューとなる若干16歳のヴァイオリニスト周防亮介氏をソリストに迎えてのチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」は、第三楽章のロシアのトレパック風主題もノーカットで華麗に披露されました。

スーパー・キッズ・オーケストラとオーケストラJAPONAIDEによるラヴェルの「ボレロ」、そして佐渡・阿部両氏の指揮による「ふるさと」は会場が一体となり日本を思う時間が流れました。

今回のコンサートは演奏だけではなく、被災地の様子や昨年度のコンサートで集まった義援金がどのように使われたを報告する時間が設けられました。
第一部では桜の枝を携えた釜石市の旅館「宝来館」の女将・岩崎昭子さんが壇上に上がられ、津波発生時に旅館の方々と逃げた時のお話「てんでんこ」、震災発生時間にパリのトロカデロ広場で献花をされたお話、そして被災地で「しなやかに立ち上がる」人々のお話をされ、拍手と涙に包まれました。
第二部では野口昇日本ユネスコ協会連盟理事長によるUNESCOの日本における支援の様子、また現地で家族を亡くしながらも将来の夢を失うこと無く生活をしている子供達のインタビューが流されました。

震災後「音楽家は無力だ」とおっしゃっていたという佐渡裕氏。
マエストロの思いは完全ボランティアで素晴らしい音楽を届けてくださった演奏家の皆さん、そして会場にいた1400人の観客とUSTREAMでコンサートの様子を閲覧されていた約1万6000人の方々の心に、力強く、未来への礎となる一歩を踏み出させるタクトを振ってくださいました。

出演は、兵庫県立芸術文化センターの芸術監督でもある佐渡裕氏自らが率いる「スーパー・キッズ・オーケストラ」。フランス国内でオーケストラやソリストとして活躍する精鋭たちによりこの日だけのために結成された「オーケストラ・ジャポネード」。
昨年4月10日に開催されたUNESCOコンサートでオーケストラ・ジャポネードを指揮された阿部加奈子氏。ピアニスト辻井伸行、ヴァイオリニスト周防亮介の各氏。
また今回のコンサートのために一年ぶりに再結成された、フランス国内外で活躍する声楽家やラジオ・フランス合唱団の有志を中心として結成された「Chœur JAPONAIDE」。
そして指揮の佐渡裕氏。

このコンサートは出演者全員が無報酬であることはもちろん、多くのボランティアによって運営されました。改めて敬意と感謝を送ります。
私共ジャポネードでは企画・運営、広報、翻訳、特設サイトのデザイン・制作、ポスター及びフライヤーのデザイン・制作、パンフレットの編集・制作、会場でのご案内、USTREAMによる中継等を全て無償で担当させていただきました。

東日本大震災から一年が経ちました。
パリからひとりひとりの思いを日本へ届けるお手伝いが少しでもできるよう、これからもJAPONAIDEの活動は続いていきます。私たちの活動にご賛同いただいている方々に改めて心より御礼申し上げます。


Yutaka Sado Concert 11.3.11 Un an après
チケットの売り上げ:29,078€ + ¥136,500
当日の募金額:7,882€
当日入場者:約1,400人
Ustream視聴数:約16,000人
すべてのお金は東日本大震災子ども支援 ユネスコ協会連盟就学支援奨学金と石巻明友館に送られます。

出演:
佐渡裕
阿部加奈子
辻井伸行
周防亮介
スーパーキッズ・オーケストラ
ジャポネード・オーケストラ
ジャポネード合唱団

岩崎昭子(宝来館 女将)
野口昇(日本ユネスコ協会連盟理事長)
平澤絵美(通訳, ジャポネード初代セクレテール)

ご来場くださった皆様、出演者の皆様、公式・非公式を問わずサポートしてくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。
被災地の今後のさらなる復興を祈っています。

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佐渡裕 311 ユネスコ・コンサート

震災から一年、パリ・ユネスコ本部に国際的に活躍する指揮者・佐渡裕氏を迎えて贈るメモリアル・コンサート

復活の音を奏でる日-2012年3月11日
指揮者に佐渡裕、ソリストにピアノ辻井伸行、ヴァイオリン周防亮介の各氏を迎えての特別なひととき。
フランスを拠点とする名門オーケストラの団員を中心に精鋭たちによって編成された、この日だけのスペシャルなオーケストラ「ジャポネード・オーケストラ」、そして日本からは佐渡裕氏自らが率いる「スーパーキッズ・オーケストラ」の出演です。
祈りと鎮魂、そして復興と再生への願いへ。東日本大震災から一年のこの日、再びパリから思いをひとつに。

Yutaka Sado, photo : Takashi Iijima日時 : 3月11日 (日) 14時開場(会場ロビーにて東北復興写真展を開催いたします) 15時開演
場所 : ユネスコ第1会議室 Maison de l’UNESCO salle I
住所 : 125, avenue de Suffren, 75007 Paris (Métro : Ségur)

料金:一般30ユーロ、学生20ユーロ ※チケットの売り上げは全額被災地の東日本大震災子ども支援 ユネスコ協会就学支援奨学金 及び 石巻 明友館に寄付されます
チケットはfnacで販売中です。
前売りのみで当日券はございませんのでお早めにお求めください。

※未就学児の入場はご遠慮ください

コンサート特設サイトへ

プログラム

  • 第1部
    スーパーキッズ・オーケストラ

    1. バッハ:管弦楽組曲第 3 番ニ長調 BWV1068 より 第 2 楽章《Air》(G 線上のアリア)
    2. 芥川也寸志:トリプティークより 第1楽章:アレグロ
    3. チャイコフスキー:弦楽セレナードより 第3楽章:エレジー、ラルゲット・エレジアーコ
    4. レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より「パッサカリア」
    5. ウィーラン(ヤニック・パジェ編曲):リバーダンス
    6. ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11 より 第2楽章:ロマンス:ラルゲット
      ピアノ:辻井伸行
  • 第二部
    1. ベートーヴェン:「エグモント」序曲 Op. 84
    2. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35
      I. アレグロ・モデラート II. カンツォネッタ アンダンテ III. フィナーレ アレグロ・ヴィヴァーチッシモ
      ヴァイオリン:周防亮介
    3. ラヴェル:ボレロ
    4. 岡野貞一(山口真希子編曲):故郷(ふるさと)

佐渡裕 プロフィール

Yutaka Sado, photo : Yuji Hori故レナード・バーンスタイン、小澤征爾に師事。1989年、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。現在ドイツ、フランス、イタリアなどを中心に世界中のオーケストラを多数指揮。2011年5月にはバイエルン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にデビュー。国内では兵庫県立芸術文化センター芸術監督、シエナ・ウインド・オーケストラ首席指揮者も務める。「題名のない音楽会」(テレビ朝日系列局/毎週日曜日9:00放送)の司会者としても人気を集めている。

阿部加奈子 プロフィール

大阪生まれ、パリ在住の指揮者。東京芸術大学音楽学部付属音楽高校、東京芸術大学音楽学部作曲科を経て、パリ国立高等音楽院入学。6つのクラスで学んだ後2002年に日本人として初めて同音楽院の指揮科に入学し、指揮法をZsolt Nagy, Peter Eotvös, Jànos Fürst等に師事。在学中に現代音楽アンサンブル「Multilatérale」を創設し音楽監督に就任。現在までにフランスを始めとするヨーロッパ諸国で既に80作を超える新作初演の指揮を行う。2008年から2009年にかけてモンペリエ国立歌劇場の副指揮者。これまでにモンペリエ国立管、リール国立管、ロレーヌ国立管、ニース響、パドルー管、チューリッヒ歌劇場、ライン国立歌劇場などと共演。

辻井伸行 プロフィール

Nobuyuki Tsujii, photo : Yuji Hori1988年東京生まれ。98年、10歳の時に、大阪センチュリー交響楽団と共演しデビュー。2000年9月にはサントリーホール小ホールでソロ・リサイタル・デビュー。05年10月、第15回ショパン国際ピアノ・コンクール(ワルシャワ)に最年少で参加し、「批評家賞」を受賞。09年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初の優勝を飾った。以後、国際的に目覚しい活動を続け、11年11月10日にはカーネギーホール主催によるリサイタルが高い評価を受けた。12年5月、フィルハーモニア管弦楽団の定期演奏会でロンドン・デビューの予定。
07年10月、エイベックス・クラシックスよりCDデビュー。以後、継続的にCDを発表。
増山真佐子、川上昌裕、川上ゆかり、横山幸雄、田部京子、干野宜大各氏に師事。11年3月、上野学園大学演奏家コースを卒業。2009年、文化庁長官表彰(国際芸術部門)。2010年、第11回ホテルオークラ音楽賞及び第1回岩谷時子賞受賞。
オフィシャル・サイト http://www.nobupiano1988.com/

周防亮介 プロフィール

1995年生まれ。7歳からヴァイオリンを始める。2008年、中学1年のときに全日本学生音楽コンクール全国大会第3位、京都市交響楽団と共演(大友直人指揮)。2009年、クロスター・シェーンタール国際ヴァイオリンコンクール(ドイツ)にて第1位およびヴィルティオーゾ賞とEMCY(青少年のための音楽コンクール欧州連合)賞を受賞。2010年、ダヴィッド・オイストラフ国際ヴァイオリンコンクール(モククワ)で最高位およびスポンサー特別賞を受賞、国際音楽祭ヤング・プラハ(チェコ共和国)より日本代表として招聘されプラハ室内管弦楽団と共演。2011年、東京音楽コンクールで第1位および聴衆賞を受賞。現在、東京音楽大学付属高校1年特別特待奨学生として在学中。

スーパーキッズ・オーケストラ

兵庫県立芸術文化センターが2003年、小学生から高校生までの弦楽器だけのオーケストラとして創設。兵庫県立芸術文化センターの芸術監督である指揮者・佐渡裕が同オーケストラの芸術監督を兼任し、毎年、全国から集まったトップクラスのジュニア演奏家をオーディションで選抜、合同練習や夏合宿そして本番公演を通じて指導している。演奏技術を磨くだけでなく、「音楽」ができることの幸せを子どもたちと共有することを主眼に置く佐渡裕は2011年、東日本大震災で壊滅的被害を受けた釜石市根岸海岸にてミニコンサートを実施するなど、かけがえのない音楽体験をともに積んできた。世界で一番輝くオーケストラ「スーパーキッズ・オーケストラ」を目指し、今回のパリでの演奏会で海外デビューを果たす。

ジャポネード・オーケストラ

「Orchestre JAPONAIDE」は東日本大震災勃発後フランス国内外で活躍する演奏家によって特別に結成されたオーケストラ。
パリの4大オーケストラであるパリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ国立歌劇場管弦楽団をはじめ、佐渡裕氏が首席指揮者を務めたラムルー管弦楽団、名門コロンヌ管弦楽団、コンセール・パドルーの各オーケストラの有志たち、フランス国立高等音楽院の学生、そしてフランスのみならずヨーローッパ各地からも錚々たる演奏家たちがこのオーケストラの趣旨に賛同し、2012年3月11日のメモリアルコンサートのメンバーに名を連ねる。

ジャポネード合唱団

photo : Akihiko Kondoh2011年4月10日にユネスコ本部国際第一会議場にて行われた「東日本大震災チャリティー演奏会」のために、フランス国内外で活躍する声楽家やラジオ・フランス合唱団の有志を中心として結成された「Chœur JAPONAIDE」。4月10日の演奏会では、Chœur JAPONAIDE のリードのもと、客席と共に唱歌「さくら」「ふるさと」を大合唱。会場が被災地への熱い思いに包まれた。


共催 : ユネスコ職員組合(AIPU), パリ日本文化会館, ジャポネード
後援 : ユネスコ日本政府代表部, 在フランス日本国大使館
協賛 : JAL, Canon France, 笹川日仏財団
協力 : 兵庫県立芸術文化センター, 公益財団法人日仏会館, AVEX CLASSICS INTERNATIONAL, 東京音楽大学, パリ国立高等音楽院, Labo love Japon, パリ小町

東北復興写真展 : 東北復興写真展実行委員会, 東京外国語大学, 河北新報社, Canon France, 株式会社シミズオクト


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4月10日UNESCOオーケストラ・チャリティコンサートでのイリナ・ボコヴァUNESCO事務局長のスピーチ日本語訳

モーゲンス・シュミットUNESCOフィールドコーディネーションオフィスディレクターによる代読

皆様、
UNESCO事務局長、イリナ・ボコヴァに代わりまして、この場に参加できることを光栄に存じます。事務局長は本日都合により参加できませんが、皆様へのメッセージをお預かりしております。以下、代読いたします。

メッセージ本文:
ユネスコ日本政府代表部大使 木曽功様をはじめとし、ご臨席の皆様、親愛なる友人、スタッフの皆様、

世界は今、日本とともにあります。
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)を代表して、3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震の被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

今年は日本のユネスコ加盟60周年となる年です。今、日本は大変な困難の中にありますが、この記念の年に、ユネスコと日本の歩みについて振り返りたいと思います。
1947年7月19日に、仙台で世界初のユネスコ協会が発足されました。第二次世界大戦の爪痕を目の当たりにした仙台の人々は、ユネスコの理念である教育、科学、文化、交流を通して平和を築くために立ち上がったのです。
この草の根運動は各地に広がり、1948年の日本ユネスコ協会連盟の発足のきっかけとなりました。これにより日本は、正式な和平条約である1951年9月のサンフランシスコ条約調印に先だって、同年5月、ユネスコの正式メンバーとなりました。これは、日本の国際連合加盟よりも5年前のことです。

今回のオーケストラ・チャリティコンサートは、我々の60年以上にわたる強い絆を表すものです。
我々は、復興はまず教育現場から進めるべきだと信じています。それは、学校、生徒、そして教員といった教育にかかわるものは、未来を作る土台となるからです。教育こそが、変化をもたらす最大の希望なのです。今回お寄せいただいた募金はすべて、日本ユネスコ協会連盟に託され、被災した7008もの学校の支援に充てられます。

世界はひとつです。
今回の災害は、日本だけが危機に曝されているのではありません。世界全体の問題なのです。我々は皆、この悲劇に衝撃を受けています。復興と新しいスタートのために、ともに協力しましょう。
今ここにいらっしゃる皆様、演奏してくださる演奏家の皆様、そしてお越しくださった皆様に深く感謝いたします。
今回のコンサートを企画してくださった阿部加奈子さんそして松宮圭太さん、演奏に参加してくださる萩原麻未さんをはじめとする演奏家の方々に、重ねてお礼申し上げます。
何よりも、このコンサートは希望というメッセージを届けてくれるでしょう。

この春の日曜の午後は、18世紀に生きた有名な俳人、与謝蕪村の詩の一節を想起させます。

燭の火を燭にうつすや春の夕

この句には、春という季節のエッセンスが凝縮されています。暗闇の一隅にもたらされる明かり、そこから再び生を得るいのち、明かりが運ぶ希望…。

今日、ここにこうして集まったのは、まさにこのためです。春の光を共有し、共に、前に進むためなのです。ここでは音楽が、団結のための仲介となります。音楽は誰もがわかる言葉で我々の心に語りかけ、元気を与え、なにものをも超越します。音楽は、人間に与えられた、強さや共感、希望を表す最も強力な能力のうちのひとつなのです。
どうぞよいコンサートをお楽しみください。

イリナ・ボコヴァ

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ユネスコでのオーケストラ・チャリティーコンサート

震災から一ヶ月が経とうとしている2010年4月10日、パリ。
まるで初夏のような春の日、エッフェル塔にほど近いユネスコ本部第一会議場にて開かれたオーケストラ・コンサート。既に8日の午前中には全1350席のご予約を頂いておりました。

被災地の映像、会場全員での黙祷に始まり、武満徹の「弦楽のためのレクイエム」に続きます。
2010年にジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門で1位となった萩原麻未さんをソリストに迎えてのラヴェルのピアノ協奏曲は素晴らしい演奏に第1楽章(Allegramente)終了時にも思わず拍手が。
プログラムの最後はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。
東欧の作曲家がアメリカという異国の地で、故郷へ便りを送るかのように綴ったこの交響曲。特に第2楽章(Largo)は、旋律にドヴォルザークの思いが寄り添い、国は違えども私たちも思いを同じくして望郷の念に駆られずにはいられませんでした。

アンコールには男女混声合唱つきで「さくらさくら」、そして「ふるさと」。
幼少の頃を思い、父母を思い、友を思い、…思い出を沢山抱いた「ふるさと」、その「ふるさと」が津波によって飲まれていく、コンサート冒頭の映像が思い起こされます。
会場中の全て方々の思い、涙、祈りで構築されたハーモニー。この日集められた募金総額は21354.93ユーロにものぼりました。
全額が被災した学校の支援の為、日本ユネスコ協会連盟に寄付されます。

演奏家並びにユネスコスタッフの皆様、ご来場いただいた全ての方々に心から感謝いたします。ありがとうございました。

出演:
指揮 阿部加奈子
ピアノ 萩原麻未
ジャポネード・オーケストラ
ジャポネード合唱団

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ユネスコ事務局長、被災地の教育現場への支援を呼びかけ

UNESCO、イリナ・ボコヴァ事務局長のメッセージ

2011311日に東北地方を襲った災害は、日本史上最大の甚大な被害をもたらしました。世界中がこの自然の計り知れない力に脅威を隠せない中、被災地は、この悲劇から立ち直るため、一日も早い復興を目指しています。被災地の教育現場への支援のご協力をお願いいたします。

今回の災害では、何千人もの人々が家を失い、2400もの学舎が被害にあっています。

日本ユネスコ協会連盟は、1948年の発足以来、国内の非政府組織とのネットワークづくりを進め、国内のユネスコ協会は、今では約300を数えます。

お送りいただいた募金は日本政府の文部科学省を通じて被災地域の自治体に送られ、4月からの学校再開のための重要な資源となり、また、その一部は被災児童の心のケアのための活動にも役立てられます。

ユネスコと日本とは、特別な関係を築いてきました。1947年7月19日に世界で初めてのユネスコ協力会が発足されたのが、まさに今回の被害が最も多い地域のひとつである仙台市でした。第二次世界大戦の爪痕を目の当たりにした仙台の人々は、ユネスコの理念である教育、科学、文化、交流を通して平和を築くために立ち上がったのです。

この草の根運動は各地に広がり、その1年後の日本ユネスコ協会連盟の発足のきっかけとなりました。これにより日本は、1956年の国際連合への加盟に先だって、1951年5月、ユネスコの正式メンバーとなりました。現在、仙台市からスタートしたユネスコ協会は、実に世界中で5000ものネットワークへと発展しています。

193の国と地域、および7の準加盟メンバーで構成されるユネスコのコミュニティの皆さん、日本の教育現場への支援を通して、今こそ国際的な結束力を発揮する時が来たのです。

ぜひ日本ユネスコ協会連盟へのご支援をよろしくお願いいたします。


寄付の送り先:

銀行名:  東京三菱UFJ銀行
支店名:   神田支店 (331)
口座名義:  シヤ)ニホンユネスコキヨウカイレンメイ
普通預金
口座番号:   0297275
Swift code:   BOTKJPJT

2011年3月18日

Source: ODG

 

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