「日本への手紙」コンサート – リセ・アンリIV

5月28日、パンテオンに隣接するフランスの名門高校Lycée Henri-IVのチャペルにて、人道支援団体SEMEによる「日本への手紙」と題されたコンサートが行われました。
ソプラノ歌手、フルート奏者、ピアニストによる演奏と、「Ecritures aujourd’hui」(Jacqueline Aupetit女史主宰)のメンバーによる詩の朗読から構成されており、歴史あるリセ(高校)のチャペル内に、文学の香りただよう美しいコンサートとなりました。

オープニングは、ヴィクトル・ユーゴーの詩が透き通るようなソプラノの歌声となり、さらにフルート、ピアノのメロディが重なり合い、チャペルの崇高な空間に満ち溢れる、透明感のある作品でした。
続いてラベルやドビュッシー、近現代の作曲家の作品などが演奏されました。色鮮やかなソプラノの歌声、柔らかく軽やかで、時には力強い、フルートの音色、まるで歌い合うようなピアノの音色、三種が溶け合って、一遍の物語を見ているかのような作品の数々。
そして、演奏の間に日本に宛てた手紙としての詩の朗読が続きます。
表情豊かに詠まれる美しいフランス語のフレーズに、言葉も音楽の一つなのだと、改めて実感した瞬間でした。
最後は、武満徹作曲の歌曲集。Lucille Marchel-Seumoisさんの感情のこもった日本語の歌が流れると、改めて日本語の美しさを感じるとともに、日本に思いを馳せずにはいられませんでした。
また、歌曲の最後の作品である「小さな空」は武満徹自身が作詞していることから、対訳をプログラムに載せており、来場者に意味がわかるようになっていました。
歌声に聴き入っていると、誰もが持っている幼いころの思い出が、ふっとよみがえってくるのではないでしょうか。心に響く作品でした。
コンサートが終わるころにはパンテオンに広がる空も茜色から濃紺に移りゆき、言葉の持つ力、美しさの余韻に浸りながら、帰路につきました。

皆様の温かい拍手に支えられての素敵なコンサートとなりました。

今回のコンサートで集まりました募金額は483.90ユーロ。
これらの寄付金は、日本の「国境なき子どもたち」に全額寄付されます。

ご来場いただきました皆様方、出演してくださいました演奏家の皆様、「Ecritures aujourd’hui」の皆様、主催の人道支援団体SEMEの皆様、心より感謝申し上げます。ありがとうござました。

出演 :
Lucille Marchel-Seumois (ソプラノ),
Sophie Peltier (フルート),
Keiko Tsujii (ピアノ)
Lecteurs/Auteurs :
« Ecritures aujourd’hui »(主宰Jacqueline Aupetit女史)

その後SEMEの皆様が国境なき子どもたち宛の200ユーロの小切手をお送りくださいました。ご厚意に改めて感謝いたします。どうもありがとうございました。

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